血行障害の種類とその症状

 血行障害とは、血液の流れが悪いことをいいますが、血行障害には2つの種類があることをご存知ですか?ひとつは、動脈の血行障害。もうひとつは、静脈の血行障害です。実はこの2種類の血行障害は、症状が全く異なります。

血行障害と還流障害

 心臓から出た血液は動脈を通って全身に運ばれたあとは、静脈を通って心臓に戻るというのはご存知でしょうか?この時に、足の動脈の血行障害がおきた場合、足先まで十分な血液が行き渡らなくなるので足が冷たくなり皮膚の色は白っぽくなります。経験のある方も多いと思いますが、いわゆる「血の気」が無くなってしまう症状です。

 

 では、静脈での血流が悪くなった場合は、血液そのものが足にうっ滞してしまうので、足の皮膚が赤っぽい状態となり足がむくんできます。この静脈の血の巡りの悪い状態は、血行障害とは言わずに還流障害といいます。

 

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むくみは静脈の血行障害(還流障害)が原因

 がんの手術等でリンパの流れが悪くなった場合も足はむくみますが、これは「リンパ浮腫」といいます。よく血行障害と足のむくみを結びつけて考えがちですが、厳密に言うと、むくみが起きるのは、動脈の血行障害ではなく、静脈(リンパも含む)の血行障害(還流障害)が原因です。

 

 ということは、血液の流れを良くすればむくみが解消されるのかといえば、必ずしもそういうことでは無いということです。むくみを改善するには、「静脈」の流れを良くすることが重要であると言えます。

血流を良くするとむくみが悪化するケースもある

 血行障害といっても、それが動脈の流れなのか、静脈(リンパ)の流れなのかを分けて考えなくてはなりません。上記で説明したように、静脈の流れが悪い時に動脈の流れを良くしてしまうと、さらにむくみが悪化してしまうケースもあります。

 

 医療機関で処方されるような血液の流れをよくする薬の大部分は、動脈硬化などで血流の悪くなった動脈の薬ですから、むくみには全く効果がありませんので注意が必要です。

 

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